ATPはアデノシンという物質と3つのリン酸から構成されているが、ここからリン酸がひとつ離れADPへと変化することによってエネルギーが生じ、筋収縮を起こす。
しかしカラダの中でのATP貯蔵量は少なく、全力運動を数秒間続けるだけで使い切ってしまう。したがって運動をさらに続けるためには、ADPを直ちにATPへと再合成しなくてはならない。
再合成の方式を大別すると、クレアチンリン酸を使うATP-CP系、グリコーゲン分解によって行われる解糖系、糖や脂肪分解によって行われる有酸素系がある。
運動開始と同時に、いずれの供給方式も働き始めるが、ATP-CP系は8秒ほどで中断されるスターターのような役割。反応の際に乳酸を生じないことから非乳酸性機構とも呼ばれる。
解糖系は30〜40秒の間に大量のパワーを使う役割。糖を分解する際に乳酸を生じる。なお、ATP-CP系、解糖系ともに、反応の際には酸素を必要としないので、無酸素的反応(アネロビック反応)とも呼ばれる。
有酸素系はATPを少しずつ使うような、低負荷で長時間にわたる運動のエネルギー源となる。この方式は、糖がTCAサイクルを経て水と二酸化炭素にまで完全分解されるので乳酸による「疲れ」が少なく、理論的にはカラダの中のグリコーゲンを使い切るまで運動することが可能となる。発生するエネルギーは約2400キロカロリーといわれており、この数値はフルマラソンで使用されるエネルギーにほぼ匹敵。つまりフルマラソンは、糖質の補給なしに続けられる運動の限界と考えることができるわけだ。⇒最新トレーニング情報
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