“遊び”なのか“スポーツ”なのか、ボウリングをやったことがないという人はまずいない。ヨチヨチ歩きの子どもから90代、100代の高齢者まで、みんなが一緒に楽しめる。運動オンチだって抵抗なく参加できるし、和気あいあいとおしゃべりを楽しみながらも競い合えるから、部課のレクリエーションにも最適だ。
ところが、ボウリングの偉力はこんなものだけではなかった。実はそのダイエット効果にすごいパワーがあったのだ。
それを証明したのは、運動生理学とバイオメカニクスの権威である村松茂 助教授(横浜市立大学理学部)。ボウリングによる心拍数の変動や筋肉の活動電位を測定し、運動効果を調べた。するとその結果は驚く数値だった。
なんと、ボウリングをたった3ゲームやっただけで、筋力の強い男性の場合、210kcalものエネルギーを消費し、脂肪は12g以上も燃焼したのだ。消費カロリーはウォーキング1時間以上に値するものだし、フーフーいいながらこれだけ歩いたって、12g 以上の脂肪を燃やすことは難しい。もちろん、それぞれの筋力や体重差によりこの数値は異なるが、かなり期待していいと見た。
ダイエットだけでなく、筋力トレーニングのひとつとしても、注目できる。会社帰りにふらりと寄れるボウリングは、スポーツというよりも遊び感覚。ところが、体にもたらすその効能は、かなりのもの。日本医師会公認スポーツドクターの奈良純夫理事長(奈良内科医院)は、
●足腰の適度な運動となる ●バランス感覚の維持 ●リズム感を高める ●高齢者でも無理なく楽しめる ●規則的な入眠に効果的 ●気持ちの張りが生まれる
等の「ボウリングが身体にもたらす“メリット”」をあげている。
さらに、ずばり、「有酸素運動のなかでも、意外なほどボウリングのトレーニング効果は高い」と言うのは、奥田拓道愛媛大学教授。
脂肪細胞の中に脂肪がたまりすぎると「肥満」になるわけだけれど、脂肪が増えるに従って脂肪細胞はどんどん巨大化し、やがて外に流れ出してしまう。脂肪がそのままあふれだしたら、人体はとても危険な状態に陥る。そこで、リパーゼという酵素が脂肪を分解し、「脂肪酸」と「グリセロール」という物質にかえる。
肥満を解消するには、この脂肪酸を体外に排出すればいいわけだ。それには、脂肪酸が炭素ガスと水に分解されなくてはならず、分解されれば、呼気(炭酸ガス)と尿(水)で排出できる。それを効率よく確実にサポートしてくれるのがボウリング。奥田教授曰く、「脂肪酸が炭素ガスと水分に分解されるには、大量の酸素が必要。ひとくちに運動と言っても、酸素を使う運動こそが脂肪を体外に出すのであり、息切れをするような激しい運動では脂肪の排出は起こらない」のだそうだ。
遊びながら気になる脂肪を燃やして、筋力もアップできるボウリング。脱メタボの強力なサポーターは、意外と身近なところにあったのだ。(excite.健康)
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