卵胞ホルモンはエストロゲンと呼ばれ、女性の生殖器官の発達を促進し、思春期の身体的変化をもたらす。また、子宮粘膜の増生を促進し、子宮の収縮性を高める。
一方の黄体ホルモンはプロゲステロンと呼ばれ、子宮に作用して月経前期の変化を起こし、子宮の収縮性を低下させ、排卵を抑制する働きがある。この2つのホルモンが、女性の月経周期に、具体的にどう関わっているのか。
まず、排卵時期になると脳下垂体から卵巣に指令が届き、卵巣では排卵に合わせてエストロゲンの分泌を促し、受精の準備をする。そして、その少し後からプロゲステロンの分泌を促進させる。プロゲステロンの役割は妊娠の維持。つまり、子宮内膜を厚くする。受精卵に優しいふかふかのベッドをつくるというわけだ。
この時点で受精をしなかった場合は、子宮はベッドを剥いでしまう。これが血液とともに膣から排出されるのが月経というわけだ。
また、年齢的に見ると、幼年期の男女の違いは外性器の形に表れるだけだが、10代になると、女性は卵巣から分泌されるエストロゲンの作用で乳房が大きくなり、排卵と月経が始まる。さらに20〜30代になるとエストロゲンの分泌量はピークを迎える。そして40代には卵巣の機能が低下し、エストロゲンの分泌は急激に減少していく。このことで、女性は様々な影響を被ってしまう。
代表的なのがいわゆる更年期障害。規則正しくあった月経が不規則となり、さらに月経がなくなるまでの閉経前後の時期に起こる、身体的、精神的な違和感(不定愁訴)のことをいう。人によって多少のズレはあるが、およそ44歳から53歳までの間に2、3年は経験することが多い。
不定愁訴の症状は様々。顔が火照る、のぼせる、頭痛や肩こりがする、よく眠れない、イライラして家族などにあたる、腹が張る、尿が近い、汗をかきやすい、胸がどきどきするなど。また、セックスが疎ましく感じられたり、性交時に痛みがあるなどの症状も。一つの症状が長く続くことは少なく、日によって症状が変わることが多い。複数の症状が同時に出ることもある。
いずれにしても更年期に不快感や違和感が表れた場合には、婦人科医に相談し、適切な治療を受けることが大切である。近年では女性ホルモンを投薬する、ホルモン補充療法(HRT)が有効とされている。これは欧米で1930年代から行われていたもので、エストロゲンとプロゲステロンを併用することで、不定愁訴を退け、皮膚のコラーゲン量を増やすもの。肌の張りや髪の艶を高めてくれたりとメリットが多い。
最後に女性ホルモンと骨密度の関係を。血中のエストロゲン濃度が低くなると、同時に骨密度も低くなってしまうのだ。これはエストロゲンの減少によって、カルシウムの吸収と沈着のバランスが崩れるため。中高年の女性に骨粗鬆症が多く見られるのは、まさに女性ホルモンのなせる業なのである。
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